5月17日(金)南 多恵子フェロー
講義名【ボランティアコーディネーター論】
【学生の学び】
- 南フェローが大阪ボランティア協会に関わりを持ち始めた時の時代背景について、制度の狭間だらけだったというお話をされたことが印象的でした。放課後等デイサービスや児童クラブなど今では当たり前の制度も、制度がない時代は誰かが先駆的に取り組み、必要性を共有して制度化されたということを改めて認識しました。
- 過去に、私が勤務する施設にボランティアに来てくださった方がいた。しかし、職員の心無い言葉でそれ以来施設へは来られなくなってしまった。その職員は、ボランティアは無償で活動してれくれる人という考えをもっていたのではないか。ボランティアやボランティアを必要とする人、お互いが気持ちよく過ごすためにボランティアコーディネーターの果たす役割は大きいと思う。
- ボランティアという言葉はかなり一般的に知られているようになっていますが、その言葉のもつイメージはまだまだ特別な、一部の人が関わることと受け取られているように感じます。
実際、地域の活動をしている人でもボランティアをしていると意識していない人もいるかもしれません。
そういう意味では、ボランティアコーディネーターはボランティア活動の多様性や、ボランティアが含む意味を理解しておくことが大切だと思います。
5月24日(金)三浦 研フェロー
講義名【福祉と環境】
【学生の学び】
- 住まいや環境をコミュニケーションの視点で説明をいただいたことが大変学びになりました。
私物の量がIADLに相関がみられるとのお話も大変興味深かったです。生活空間や環境がご本人たちのQOLに大きく関わっているのだと(単純に居心地が良い、ということだけでなく)学びました。
講義内容を職場で共有し、生活空間の整えの参考にしたいと考えています。
- 施設建築は、福祉分野のものからすると「門外漢」な分野であり、どうしても設計業者さんの意見ありきで進んでしまうことが多分にあります。
建設後においても、模様替えなど、職員でも取り組める要素は多く、「介護しやすい」から「誰もが過ごしやすい」に考え方を切り替え、介護の一環としての環境整備に取り組む必要性を感じました。
その環境を活かしきる研修や学びが足りていないことに気づかされたため、自身も含め、法人全体で学びを深めるよう働きかけたいと考えました。
- 講義の後の先生の言葉「住宅として施設を考える」はとても印象的だった。しかし、施設を建てる段階だけでなく、施設ケアでの視点で空間を生活者の好み~考えること、利用者を知ることで、できることできないことの中で、出来ないことも工夫を加えてしたいことに近づいていくこと視点は魅力的に感じた。ケアの現場の工夫のエッセンスになったと思う。
5月24日(金)圡井裕明フェロー
講義名【社会的弱者の権利をどう守るか】
【学生の学び】
- “介護保険制度”について成り立ちや現在の立ち位置を聞く機会はそれほど多くなかったので、介護保険制度の現状認識するにあたりとても参考になりました。
本日のお話の中で高齢者意識調査のデータがいくつも出てきましたが、自分たちの地域住民の考えや生活スタイルなどを把握するためにはそれぞれの地域の力や特性を知るために自分たちの地域バージョンとして実施していくのも大事だと思いました。
- 支援者は一人で解決しようと考えるのではなく、関係者に相談をして広く巻き込んで応援体制を構築することがとても重要で、そのことにより解決に向けた糸口が見つかるかもしれない。ソーシャルワーカーは社会的弱者の権利を守るために、時間がかかってもあきらめることなく常に前を向かなければならない。
- 事例の話をお聞きする中で、法律で対応する限界を感じました。すき間を埋めていくために法律や制度を作ることの大切さを感じますが、まずは目の前におられる一人の利用者のことをしっかりと見て、本人が被害者にならないよう・加害者にならないように変化に気付けるように日々の支援にあたりたいと思いました。ありがとうございました。
5月31日(金)所 めぐみフェロー
講義名【専門職として育つには~専門職と住民との協働~】
【学生の学び】
- 本日の講義を聞いて、地域福祉を作っていく立場として意識していくべき視点として、「人づくり」の重要性を強く感じた。今、福祉に携わっている人、地域の担い手として活動されている人など顕在化している人材資源だけで考えていくと必ず限界がくる。だからこそ、潜在的にこれからの地域福祉をともに作っていってくれる人を掘り起こすことは、今福祉に携わる者としての使命でもあると思った。専門職と住民が互いの強みを発揮していくことが、つながりの強い暖かい地域を作ることにつながっていくのだと感じた。
- 「地域住民」と協働して、体形的に学ぶという視点を持ち、政策を構築することの重要性を感じた。そこまで大それたことではなくても、まずは、自身の手に届く範囲で、体形的に学び合える体制を整えていきたい。
顔が見える関係の構築。学びと活動の循環。その中で実践の課題を解決に近づけていく。共同、協同、協働。学びのスタイルを模索する。
- 堺市での実践のお話が大変おもしろかった。一つ目の研修にかかる所では、研修を受けた人が今度は研修する側になることでどんどんすそ野が広がっていくイメージを持てた。タイトルにもなっている「育つ」という所では専門職だけでなく、市民、学生などそれに関わる全ての人にとって学びの場になっていくことを知ることができた。
そして、改めてえにしアカデミーのしくみについて考えた時に、2年間をかけての分野を横断した包括的な研修体系と、研修を受けるだけではなく、集大成として修了論文を自分の実践に落とし込んで書き上げるという、非常に優れたシステムであることに気が付いた。