えにしアカデミーでは一般の方も参加できる参集型講義【公開集合講義】を年に数回実施しています。
今回の講義も一般に公開され、受講者は県内だけでなく、奈良県からも講義に参加をしてくださった方もおられました。
《集合講義》
3月22日(金)北野誠一フェロー・清水明彦フェロー
講義名【ほんまもんの地域共生社会をどう展開するのか!】
【写真1】北野誠一フェロー・清水明彦フェロー
写真撮影を願いすると、肩を組んでくださったサービス精神たっぷりの北野フェローと清水フェロー。
講義前の貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
【写真2】清水明彦フェロー
まずは、清水フェローの講義からはじまりました。講義内容は、
「共に生き合う主体相互の立ち上がりが地域共生社会を実現する
―西宮市での青葉園の人たちの50年の活動展開から―」
清水フェローの青葉園(兵庫県西宮市)での実践を主軸に本人中心支援の展開と地域共生についてご講義いただきました。
【学生の学び】
- 清水フェローのお話から、青葉園の誕生に社会福祉協議会というシステムがうまく活用され、地域と呼応していくダイナミックさに魅了されました。支援者や当事者だけでは実現が難しいかもしれませんが、その強い想いに行政も後押しされ、西宮市独自の展開(財源、支援、仕組みづくり)がなされたことが現在の本人中心の支援計画づくりにつながっていることに設立当時の先駆性を感じました。
- エンパワーメント支援を「ご本人のもっている力を引き出す、活かす」との理解で思考停止してしまっていましたが、今日の講義で「ご本人の共に生きる価値と力(=共生力)を高める」ことに本質があるということが一番印象に残りました。
- 清水フェローのこれまでの実践をお聞きし、あらためて考えることが多くありました。青葉園の基本理念に謳われている『その場作りをめざし続ける』に込められた『「やめない」を伝えている』や『健康管理・増進』の部分での『「本人は健康である」ことを言っている』など当然のことですが、大事なことだと感じました。
ご本人が『自分らしい自分の物語を生きていけるよう』に権利条約で何度も繰り返される『他の者との平等を基礎として』の意味をもう一度考えないといけないと思いました。
【写真3】北野誠一フェロー
小休憩を挟んだ後は、北野フェローの講義です。講義内容は、「やる気になる面白い支援は可能か?」。
「面白い支援」とは?を中心テーマに相互エンパワーメントの展開について等、あふれる熱意と共にご講義いただきました。
【学生の学び】
- 北野フェロー“面白い活動を展開する関係性がキーポイント”これは実践にあたって大きなヒントとなります。とにかく、わたしたちは“関係性”がキーポイントとなると思いました。
重度の障がい者に限らず、わたしたちが出会うしんどさを抱えた人たちは、面白い経験を積んでいない傾向にあります。でも、経験を積めない、選択肢そのものがない状況があるということを改めて考えさせられました。このことを踏まえ、居場所や活動を創り展開していきます。
- 意思決定・表明支援の4つの原理で学んだ中で、選択肢の幅を広げる体験といった部分、そしてリスクや失敗を犯す本人の自由を支えながら、サポートするといった内容についてが、高齢者介護と保育に通じる部分があり、印象に残りました。
乳幼児、高齢者、障がい者であっても、本人と共に意思を確認しての支援が必要と改めて再確認しました。
- 支援は、ただ本人ができないことを「お世話」するのではなく、本人と一緒に「本人がやりたいことを楽しむこと」
常に「共に」が前提。1人では完結することのない世界の中で、本人も支援者も暮らしていることを理解する必要がある。そしてお互いの生きる力をぶつけ合い、高め合って、「どう生きるか」を考え続けていく。社会資源や制約等が多い中で、面白い支援をしていくためには、まずは自身の意識の変化・考え方のや発想の転換を大切にしていきたいと思います。
【写真4】講義風景
次回の公開集合講義は5月10日(金)となります。
みなさまのご参加をお待ちしております。